クリエイターにとっての、札幌と東京という舞台。
前職を辞してから、札幌の実家を拠点に、東京やフランスを旅しつつ、東京でグラフィックデザイン方面の仕事に就こうと準備をしている。
そんな最近、強く思うのは「札幌、やっぱり熱い」ということ。
物心ついた頃から、先人からよく「札幌は他の地方都市に比べ、クリエイティブ系の土壌が豊か」という話を聞いていた。
十代の自分は、若者によくある発想で「札幌なんか田舎、やっぱ東京でしょ」とステレオタイプに思っていたもので、あまりその手の話は本気にしていなかった。
でもそれが本当だったんだって思える機会が、ここにきて増えている。
音楽関係や、映像やグラフィックのデザイン、アート、オタクカルチャー系や、クラフト方面でもそう。
それらを発揮する場所も、それを求める人たちも、札幌は実に豊かだと思う。
最近読んだ月刊MdN11月号にも、北海道の方が2人も特集されていて、オオっと思った。
すごく勉強になる雑誌だった
そのうちの一人、COMMUNE代表・上田亮さんの弁でも、札幌は各方面のクリエイターの横の繋がりが密接とあった。加えて、自分はそれを育む環境も潤沢なんだと思う。
インタビューによると、上田さんは大学進学を機に本州から札幌へやってきて、その中でデザインの道を志し、札幌の腕のいいスタジオで2年半の修業ののち、そのまま独立されたそうだ。
自分に置きかえてみると、こういった札幌のクリエイティブシーンがより見えてきた今、上田さんのように、地元の魅力的なデザイナーのそばで経験を積ませてもらい、そして独立というのは良い道のひとつだと思えた。
ただ、それがジャストナウなのか?と言われると、今はそのピースは当てはまらない気がする。
もう少し、技術も精神面でも自信を持てるようになってから、自分は札幌で、デザインで暮らし始めていきたい気持ちがある。
東京ミッドタウンにて、今年8月(photo by asonas)
東京には恋人がいて、それは東京に行って嬉しいことの一つだけど、それだけで上京したいと言っているわけではもちろんない。
ここにきてようやっと、上京に向けていろんな面でお膳立てが整ってきたなと感じている。
十代の頃の自分は作画アニメーターになりたくて、当時はそれを目指すならやはり東京ってことで、でも諸事情でそれは叶わなかった。
その後も何度か、東京出るか/出ないかという機会があったんだけど、その度に結果として札幌に留まることになったりで、東京は自分にとって一度は住まなきゃいけない、因縁の地みたいな気持ちもある。
あと、Twitterを始めて5年半ぐらいになるんだけど、これを通じて東京在住の母校の先輩や、他の高専のOBさん達との縁ができて、新しい世界をたくさん知った。
関連イベントにお邪魔したり、個人的に集まったりするうちに、自分にとって魅力的な人が、一カ所に集まっている場所があるんだと思った。
それが私にとっては東京という街だったと思う。
魅力的で有能な人のそばで働きたいし、たくさんの素敵な人といつでも会える距離に暮らしたい。
札幌は、暮らすにしても働くにしても、必要な材料を持ち合わせている人にとって、とても良い場所だと思う。
必要な材料というのは、自分で決めた仕事を実現できるスキル・・・とその前に、自分の心に一本筋を立てて、外の世界に対峙できるしなやかさ、というのかな。
そういう意味で自分は、技術も心も、まだ未熟だと感じる。
それらを持ち合わせたと思えるようになったら、札幌に戻ってきたい。
それが何年後になるかは分からないけれど。
今は、だからグラフィックデザイン方面で働くために、準備中です。
就職活動より前の段階として、毎日手を動かしてする勉強と、デザイン関連本を読んで勉強する時間を交互にやっている。
絶賛勉強中
本気でやろうとすると時間がいくらあっても足りないってことに気がついたし(高専落ちこぼれ勢の弁)、ここ1.2ヶ月はちょっと頑張ります。